ハキダシラヂオ:生き延びるためのダイアローグプラクティス
車椅子でまちを進むと、たくさんの段差が見えてきます。
バリアフリーではない古き良き建物、突然車椅子ユーザーが訪ねた時、「対応していないので」と入ることさえできないことがあります。
あるいは、ずっと搬入口から案内されていた車椅子のお客さんは、本当は入口から入る選択肢を知らないかもしれません。
SNSでは定期的に、「障がいに対してどこまで配慮すべきか」が話題になります。
作られてきた、また作ってしまった社会的な障がいを、どうすればクリエイティブに解消していけるでしょうか。それは、お互いが話して初めて考えられることです。
合理的配慮のその先を目指して、吐き出し、知り合い、話し合い、発信します。ハキダシラヂオは現在から未来までを、より”お互い生きやすく”なるよう、デザインする場です。それはもしかしたら理想論かもしれない。それでも私たちは、良い社会になることを信じる方を選びたいと思います。
身体的・精神的・社会的な生きづらさに対して一人一人がどのように応じられるか、未来社会がどのように応答していけるか、障がいやアート、まちづくりに関わるゲストを各方面から迎えて話し合い、配信します。視聴はYouTube及びPodcastにて!
テーマ(予定)
まちで多様性を確保すること
企画のなかのバリアフリー
服と道具と身体性
精神的なすこやかさと創作
体験を共有するということ
子供たちの考える生きやすい未来、等々
その他、ゲストや視聴者投稿によって話題を広げていきます!
パーソナリティ(五十音順)
栗林正司 市役所で働きながら地域づくりを考える
戸島由浦 霞ヶ関勤めを経てアートマネージャーとして生きる
檜皮一彦 現代美術アーティストで車椅子ユーザー
山本典里 画廊一家に生まれ写真家へ成長中
若山萌恵 認知症の方の表現活動に関心を寄せるアートマネージャー
このほかゲストの皆さま
ハキダシラヂオとは?
ハキダシラヂオは、今不自由と向き合っている人、将来不自由を抱えるかもしれない人、目には見えない生きづらさを感じている人、それでも生きづらさを受け入れたくない人、そんな家族と生きる人、子どもを育てている人、家族のケアをする人、子どもたち、なんらかの加害者と被害者、孤独になってしまった人、全ての人にとって生きやすい社会をデザインします。
社会一般的に、身体的・精神的・社会的な障がいを持つ方々が「障がい者」と呼ばれています。一方で障がいは、マジョリティ中心の社会環境ゆえにに生じるハンディキャップであり、それ自体は、大なり小なりあらゆる人が直面し得るものです。また時として、突如直面せざるを得なくなるものでもあります。
2024年4月、障害者差別解消法が改正され、事業者に対し、社会的障壁の除去の実施について「必要かつ合理的な配慮」が義務付けられました。まだまだこの法律自体、日本人口の半数にも知られていません。万博の開催される2025年は、そしてその先の未来社会はどうなるでしょうか。元となっている国連の「障害者の権利に関する条約」では、「全ての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し、及び確保すること並びに障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的とする。」とされています。
報道でもSNSでも、しばしば社会のバリアフリーが話題になります。多くの場合、解決してほしいという問題に対して、「解決すべきかしないべきか」の討ち合いになっているように見えるのは、私達だけでしょうか。設備や人材が整っていることに越したことはありませんが、それだけで対応が決まるものでもありません。最終的には、いかにクリエイティブに解決するか、対応者によっても違ってきます。0か100かの論争ではなく穏やかな話し合いの場を作りたい、「知らない」「分からない」と穏やかな残酷さで拒絶されてしまう様々な「障がい」について情報発信していきたいということから、ハキダシラヂオがスタートしました。
※本活動は、大阪・関西万博のTEAM EXPO共創チャレンジ登録事業です。テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」は、人間一人一人が、自らの望む生き方を考え、それぞれの可能性を最大限に発揮できるようにするとともに、こうした生き方を支える持続可能な社会を、国際社会が共創していくことを推し進めるものです。一人一人が望む生き方を考えるという点に、私たちは強く共鳴しています。
ハキダシラヂオは、すべての人が身体的・精神的・社会的に健やかであることを理想とします。この考え方にある種のユートピアを感じる方もいるでしょうが、私たちはただ、これらの目標を、言葉通り信じて向き合いたいと考えています。