会社員(音楽業界)/鍵盤奏者

プロフィール

1998年 奈良県生まれ。
2022年3月 東京藝術大学音楽環境創造科 卒業。

在学中からその後現在にかけて、レコード会社等で働きながら、ヒルネ逃避行でのバンド活動、その他演奏活動を精力的に行う。

現在、何をしていますか?

レコード会社で音楽の制作や宣伝周りの仕事をしています。
仕事と並行して、「ヒルネ逃避行」というバンドに、キーボード担当で参加しています。

今の業界に入ったきっかけを教えてください。

音楽専攻だったこともあり、もともとPAのアルバイトをしていました。

2年生の時に研究室のメーリングリストで流れてきた、音環の先輩が立ち上げたライブハウス・アイドル現場のPAの募集に応募したのが、ある意味、今の業界の仕事につながる最初のきっかけですね。

PA以外にもピアノ演奏や仮歌、楽曲提供などを任せていただけることが徐々に増えていき、だんだん”仕事”っぽくなっていった感じです。

なぜ今のお仕事に?

バイトをきっかけに、学生のうちから色んな現場や仕事があるのを知っていきました。

その経験を踏まえて、様々なジャンルの音楽を取り扱っているレコード会社を中心に、音楽業界で働くことを目指して、就活したりしました。

でも、そもそも新卒採用がなかなかない業界だし、コロナの影響もあり、もう1年大学生をしながらよく考えることに決めました。

今までを振り返って思うことがあれば教えてください。

自分はどちらかというとゼネラリストで研究者タイプじゃないなと分かっていたし、就職するだろうな、とは、入学する前から思ってました。

(いわゆる就活らしい)就活は完璧にはできませんでしたが、バイトきっかけの仕事を通じてほかの会社の人に出会ったり、現場でアーティストに顔を覚えてもらったり、結果として就職につながる行動は結構していましたね。

キャリアのことを考えてそうしたっていうより、自然とそうなったというか…。自分ができるPAのことをしたり、演奏は好きだからピアノ伴奏を引き受けたり、そもそも音楽が好きだから仕事を続けたりして、結果としてこうなっている、という感じです。

学生時代は、行動はバタバタと迷走したこともあるけど、気持ちに迷いはなかったと思います。

キャリアについて考えることを教えてください。

(例えば、)公務員は比較的安定していて安心だと思うけど想像がつかないとか、
先生には憧れるけど向いてないなとか、
自分に向いてないのを省いていって、でも、絶対に譲りたくないところ、私で言う「音楽の仕事をする」ということの中でできることを選んできた感じですかね。

個人として、会社以外の人とも人脈をつくり、働く選択肢を持っておくことが、今の時代で音楽の仕事を続けるには重要かなと思って頑張っています。

IT系会社員/ピアニスト

プロフィール

1995年生まれ。オーストラリア生まれの千葉県柏市出身。
幼少期から多数の演奏・受賞を経験し、東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校へ入学。
2015・2017・2019年 ラ・フォル・ジュルネTOKYO出演
2016年 第17回ショパン国際ピアノコンクールinASIAコンチェルトC部門アジア大会入賞
2017年 第11回八潮市新人オーディションにて審査員賞受賞。その後2018年同市でリサイタル開催。
2018年 ベトナムにてベトナム国立音楽院と藝大によるVNAM × GEIDAI Collaborative Concert に大学推薦で参加。
その他多数の出演を経験。
​ウィーン国立音楽大学で開催されるウィーンナームジークセミナーに受講費免除で参加。
東京藝術大学音楽学部を経て、2021年3月、東京藝術大学大学院室内楽科を卒業。
現在は都内でSEとして働きつつ、演奏活動を行っている。

現在、何をしていますか?

会社ではSEとして、アプリの開発、プロモーション、運用をしている課に所属しています。私はプロモーションがメインです。
ピアニストとしての活動もしています。会社が副業禁止なこともあって、先日は投げ銭チャリティコンサートをしました。無料で気軽で、奏者も聞き手も楽しめる演奏会をしたいですね。会社の人も応援してくれていて、仕事以外の活動も受け入れてくれる雰囲気を感じます。

これまでの経験が役立つ場面はありますか?

ずっとお客様を相手に演奏をしてきたからか、どういう人に、どういう価格で売るか、お客様を相手に売るっていう考え方に、比較的慣れている気がします。私は演奏側だったけど、その過程で舞台の裏側にも首は突っ込んできたので、ユーザー目線過ぎないのもいいところかなぁと思っています。 
役立つ引き出しは他にもいろいろありますね。計画的に動きたい性格とか(笑)

なぜ就職したのでしょうか?

何年も藝大にいて先輩を知っているのに、あまりに満足できる収入を得て生活できる例を見れなくて。私は、お金がなくても頑張れるタイプではないので、フリーランスで演奏家としてやっていくのは無理があるなと思ったんです。新卒というカードはデカいので、安定を求めて就職するなら今だと思いました。 
『手に職』であるピアノと、ITは通じる部分があると思います。将来性のある仕事ですし、ちゃんと教育してくれる会社に入ればこの先の選択肢が広がるなと思って、就職しました。

これから、どんなことをしていきたいですか?

長期的な目標はあまり立てないほうですが。とりあえずは数年間、本業とピアノ、二つのことにやりがいを持って活動したいですね。
音楽にITを活かすという意味では、チケットとか、プログラムとか、今はアナログが普通のものを電子化してみたいです。逆に、ITに音楽を取り込むという意味では、職場での小さな振舞いの積み重ねで、『音楽業界に向けてのIT進出もアリなのかも』と周りに思わせていきたいという野望があります。

何かモットーはありますか?

やりたいと思ったことにすぐに動くようにしています。何かのためにってなった瞬間に、やらなきゃってなるから、その前に動きたいですね。頑張ったらいつの間にか手札が増えていて、そしたらいつの間にか選択肢を選べるようになっていて。その選ぶ時が楽しいです。

  • AriumiYukari

ピアニスト/パフォーマンスアーティスト

WEB:https://h-mlim.editorx.io/newmusic

プロフィール

1994 韓国大田生まれ
2012 大田音楽協会全国学生音楽共演大会 優秀賞
2016 現代音楽演奏コンクール「競楽Ⅻ」ファイナリスト
2016 「winter music」、東京
2016 「what??: fluxus collection」、東京
2016 「Challenge Art in Japan『環状』の岸辺」、東京
2019 作曲家の肖像:alcides lanza
2020 「electro-acoustic music」、東京・ソウル
2020 「環ジョウ交さ点」、佐賀
2021 東京藝術大学音楽環境創造科アートプロデュース専攻卒業
2021 情報科学芸術大学院大学 メディア芸術表現科入学
2021 「electro-acoustic music」、岐阜
2021 「第二回環ジョウ交さ点」、佐賀

現在、何をしていますか?

情報科学芸術大学院大学のメディア表現研究科というところで、作曲家の三輪眞弘先生の下で、演奏経験の拡張および再解釈を研究しています。いかに作曲当時の感性で弾けるか、じゃなくて、今、ここの感性をもっていかに演奏できるか、みたいなこと。具体的には、現代音楽の中でも、電子音響を背景にピアノを弾く作品を中心に研究を行っています。また、当時想定されていなかった身体論やジェンダー論と結びつけた再解釈も試みています。

キャリアについて考えることを教えてください。

現代音楽のピアノ曲を主に弾きながら、それだけで生きていくことはとっても難しいことです。大学院を卒業後、博士になるか、フリーランスになるか…、大学で働きながら人を教えることにも興味がなるわけで、将来的には、どこか大学で非常勤講師や教授をしながら活動できたらいいなと思っています。

自分の名前を売ることが必要なので、FacebookやYouTubeなどで、自分の活動を10年くらい発信し続けています。 そうして作った基盤の中で、コンサートを開くこともあります。

なぜ現代音楽を専門にしたのでしょうか?

現代音楽は多分中学生くらいからずっとしていますが、特に電子音楽に魅力を感じた切っ掛けは、ピエール・ジョドロフスキー(Pierre Jodlowski)という人が作曲した白のシリーズ(Série Blanche)という曲を聴いて、ショックを受けたことです。ピアノとそれ以外の音が一緒になって、今までは聴いたことない音の風景が広がっていた。
ピアノだけではできないことが、こんな風にできるんだという発見がありました。

大学時代には将来についてどんな考えを持っていましたか?

実は、大学の専攻は、入学前に思っていたのと違ったので、始めは悩みました。結局悩み続けるよりは、自分のやりたいことを一人でもやっていこうと思ったんです。

学部の専攻だったアート・マネジメントについても、なんだろうって、自分で考えながら、進んできた感じです。

  • HyunMookLim